二次性高脂血症5:加齢、閉経について

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二次性高脂血症5:加齢、閉経

次に、高脂血症の原因として年齢にまつわるものの仕組みを考えたいと思います。

 

遺伝性をのぞいて子供が高脂血症というのはまれなことです。
しかし、生活習慣病・成人病・メタボリックシンドロームが気になる中年世代では遺伝ではないのに
高脂血症になる割合が高まります。
なぜでしょうか。

 

まず、運動をしない、脂肪摂取過多等の栄養の偏りが蓄積して代謝が健常に行われなくなったという考えがあります。
いわゆるメタボリックシンドロームというものですね。
同時にインスリン抵抗性が上がり糖尿病を引き起こしたり、
塩分過多を同時に行っていることが、多く高血圧も併発することが多いです。

 

さらに、コレステロール上昇のもう一つの大きな理由があります。
それは、性ホルモンの産生が減ることです。
若いうちは、性ホルモンを活発に産生します。
性ホルモンの原料は、コレステロールです。
コレステロールから、さまざまな酵素を用いて化学反応を起こして性ホルモンを作っています。

 

「更年期」にコレステロールが上昇するのはこのためです。
女性は、閉経後にエストロゲンの血中濃度が下がり、
それまで持続的に産生していたエストロゲンの材料であるコレステロールは余る一方です。
更年期には、この他にも性ホルモンの低下によって、のぼせや動悸、精神不安定などの症状がでることが多く
これらの治療にはエストロゲンの補充などが行われています。

 

閉経後に血中コレステロールが上昇してしまったからといって驚くことではありません。
このように材料が余っているのを反映しています。
ただ、血中コレステロールは多いまま放置していると血管を脆弱にし、将来的に有害でしかありません。
そこで、食事や運動を心がけ正常値でありつづける努力をすると良いでしょう。

トクホで下げる

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