遺伝性の高脂血症、冠動脈疾患との関連

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遺伝性の高脂血症、冠動脈疾患との関連

高脂血症は、遺伝するものがいくつか知られています。

 

体質といってしまえばそれまでですが、
遺伝形式や原因遺伝子がわかっている高脂血症があります。
家系に高脂血症が多い、狭心症や心筋梗塞が多い人は
遺伝性の高脂血症の可能性もあります。

 

遺伝性の高脂血症の遺伝形式は、ほとんどが常染色体優性遺伝とよばれる形をとります。
遺伝子には、大半をしめる常染色体と性を決定する性染色体の2種があります。
そのうち常染色体の異常で発症。

 

「優性」遺伝とは、母または父のどちらかからその原因遺伝子を受け継ぐと、発症してしまう形式のこと。
同じ種類の遺伝子を母由来、父由来の2本ずつ持っているのが正常です。
でも、そのうち1本でも異常であれば、病気が発症するということです。

 

「優性」と対比されるのが「劣性」遺伝。
こちらは母由来、父由来どちらの遺伝子も異常をもっている場合に発症します。

 

遺伝性の高脂血症で有名なもの

「家族制高コレステロール血症」です。
小児、若年から発症し、血液データとしてはLDLコレステロールが上昇します。
それに伴った動脈硬化の進行がみられます。

 

原因

LDLレセプターと呼ばれる肝臓や組織に、LDLコレステロールを取り込む入り口が欠如。
そのため、肝臓に蓄えられないコレステロールが血中を漂い、
血管壁に沈着して動脈硬化を引き起こします。

 

この疾患で、有名な症状として、アキレス腱の肥厚・黄色腫があります。
アキレス腱にコレステロールが沈着して、分厚くなります。

 

また、皮膚の柔らかいところに黄色の皮膚隆起がみられます。
眼瞼や臀部にできやすいのが特徴です。
皮膚にもコレステロールが沈着した結果といえます。

 

検査値の異常だけであればよいのですが、
この疾患では将来的に動脈硬化が進行し、狭心症・心筋梗塞を起こします。
コレステロール値を正常に保つため、通常の薬剤や生活習慣改善も行いますが、
さらに重症例では「LDLアフェレーシス」と呼ばれる血中から
LDLコレステロールを除去する装置を用いることがあります。

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