リポ蛋白(中性脂肪.コレステロールから成る)の代謝1
リポ蛋白は、重さ別にカイロミクロン、VLDL、LDL、HDLがあると前述しました。
カイロミクロン
中身の大部分が中性脂肪です。
腸で吸収した脂質を、蛋白に閉じ込めて作られます。
このため、食後に上昇する特徴があります。
カイロミクロンによって中性脂肪が末梢の組織に運ばれ、需要にあわせて
中性脂肪が引き抜かれて、残りは肝臓で回収されます。
VLDL
中性脂肪を50%、コレステロールを20%程含みます。
VLDLは肝臓によって合成され、中性脂肪を必要としている末梢組織に送りとどける役目を果たします。
役目を果たしたVLDLは、肝臓に戻ってきます。
LDL
その頃には、載せている荷物も変化しており、肝臓でさらに中身が調節され、
もともとVLDLだった骨格を利用してLDLが作られます。
LDLは中性脂肪を10%、コレステロールを50%程含み、主にコレステロールを運んでいます。
LDLの役目としては、コレステロールを末梢組織へ運搬することです。
悪玉といわれる理由がここでも登場しました。
高脂血症が続くと、末梢組織の細胞で必要のないLDLコレステロールは
血中を漂い続けることとなり、血管に沈着する結果へとつながります。
HDL
LDLと反対に、善玉コレステロールと呼ばれるHDLは、
コレステロールを末梢組織から回収する役目を持ちます。
血中を漂いながら、末梢の細胞から、余ってたコレステロールをとりこみます。
HDLは徐々に太りながら、次々にコレステロールを血液にとける形にして運搬します。
最後は、肝臓に回収されます。
回収されたコレステロールは、また他のリポ蛋白の合成に再利用されます。
HDLコレステロールが豊富であるということは、血管に沈着するコレステロールの量も少ない
ということを示すため、動脈硬化になりにくい状態といえます。