二次性高脂血症1:糖尿病
二次性の高脂血症について考えていきたいと思います。
二次性高脂血症とは、続発性高脂血症ともいい、他の病気が原因となって結果として高脂血症を発病するものをさします。
さまざまな原因で高脂血症はおこりますが、まずはじめに糖尿病に続発する高脂血症を考えてみましょう。
糖尿病は高脂血症を引き起こす可能性のある病気のひとつです。
糖尿病になると、血中の糖の値が高くなります。
これはインスリンとよばれるホルモン不足か、その働きが足りないときにおこります。
血糖が高いことで、使えるエネルギーがたくさんあるというのは大間違いです。
血糖は上昇しますが、末梢組織に糖を取り込ませるはたらきもインスリンが担っているため、血糖ばかりが上昇し、末梢臓器はエネルギー不足の状態に陥ります。
そこで、蓄えていた脂質を分解してエネルギーにする作用が働きます。
このため高脂血症がおこるということです。
このように、糖尿病が原因となって、高脂血症がおこるという順で合併することもありますが、
この2つの病気は同様のリスクを抱えた人に同時多発的におこる疾患ともいえます。
これが生活習慣病、メタボリックシンドロームとよばれている類いの概念です。
どちらも有病率が高い病気であり、かつ生活習慣が乱れた人に発生しやすく、
上記のように互いに悪影響を及ぼし合っているため、糖尿病も高脂血症も煩っているという人は決して少なくないでしょう。
一見エネルギーとして使われる良い物質のように思える糖ですが、高血糖は毒性をもち、血管壁へダメージを与えます。
この状態が長く続くことで、血管壁が脆弱になり、血管が破れやすいつまりやすいといった状態となります。
高脂血症では、血中を漂う脂質が血管壁へと沈着し、動脈硬化を進行させるのでした。
動脈硬化は血管の弾力を欠き、血管壁への圧力が大きくなります。
こちらも同様に、血管イベントがおこりやすい状態となるのです。
両者を併せ持てば、心・脳血管イベントがおこるリスクが数段あがることが予想できるでしょう。
予防法も似通った部分があるため、同時に予防したい疾患といえます。
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