高脂血症の治療その2
高脂血症に対する薬物治療について考えたいと思います。
高脂血症の治療薬は2本柱。
一方が「スタチン系」、もう一方が「フィブラート系」と呼ばれる種類です。
スタチン系
「スタチン系」の薬は、コレステロールをターゲットとします。
作用として「HMGーCoA還元酵素阻害」という役割をもちます。
難しい言葉がでましたが、コレステロールの合成経路をストップさせる薬と理解すれば良いでしょう。
コレステロールは、合成途中でさまざまな物質に変化しながら完成されます。
その合成途中で用いられている酵素の1つ「HMGーCoA還元酵素」をブロックすることで
コレステロールの生成自体を減らす作用を持ちます。
コレステロールが上昇するタイプの高脂血症に用いられます。
フィブラート系
「フィブラート系」の薬は、中性脂肪をターゲットとします。
中性脂肪含有量の多いリポ蛋白を分解させる作用を持つ、リポ蛋白リパーゼとよばれる酵素の
活性を高める役割を持ちます。
中性脂肪の上昇するタイプの高脂血症に有効です。
その他
腸での脂肪吸収を抑制する「陰イオン交換樹脂」があります。
脂肪は胆汁酸と一緒に吸収されますが、その胆汁酸と結合して排泄させる役割をもちます。
脂肪の吸収自体を抑制しつつ、胆汁酸の合成が高まるため、コレステロールが低下します。
高脂血症の治療薬の問題点
「スタチン系」「フィブラート系」薬剤にみられる「横紋筋融解」という合併症があります。
これは、単剤投与でも生じることがありますが、併用によって発症確率が上昇。
通常スタチン系とフィブラート系の併用は行われません。
横紋筋融解がおこると、筋肉から酵素やK、ミオグロビンなどの物質が血中に流出。
重症では腎不全に至ることもあります。
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