二次性高脂血症4:ネフローゼ
二次性高脂血症を起こす疾患の4番目として、ネフローゼという状態について考えてみます。
「ネフローゼ」を聞いたことのない方も多いと思います。
主に腎臓の障害でおこる状態で、「尿に多量のたんぱくが漏れでてしまっている状態」と解釈してください。
尿検査では、「糖尿」「尿タンパク」を調べることが多いと思います。
本来、尿には糖もタンパクもでてこないはずなのです。(微量にはでます)
糖・タンパクは栄養として重要なため、尿から出さずに蓄える機能が備わっているからです。
では、タンパクが漏出した「ネフローゼ」と高脂血症にはどのような関係があるのでしょうか。
タンパクが漏出し、血中のアルブミン(作用として最も重要なタンパク)が低下すると、血中の浸透圧が低下。
血管内に水を保てなくなります。
血管内から水がもれでて、体のいろいろなスペースが水浸しになってしまうのです。
この状態が腹水とか胸水、むくみといった状態です。
これを防ぐため、肝臓が一生懸命アルブミンを合成します。
ここで思い出したいのが、肝臓でコレステロールやTGを配合したリポタンパクとよばれるタンパクが合成されていたことです。
肝臓の働きが活性化されると、同時にリポタンパクであるLDLなども合成されていくのです。
大きさの小さいアルブミンのみが優先的に尿にもれでた結果、このように肝臓が合成機能を高め、高脂血症となります。
この場合は、腎機能の悪化が著しく、高脂血症で気づかれるということは少ないでしょう。
治療は原疾患である腎臓の障害を治療することとなります。
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