高脂血症(メタボリックシンドロームとの関係)

MENU

高脂血症(メタボリックシンドロームとの関係)

高脂血症(脂質異常症)にさまざまな種類があることを説明してきました。
さて、ここでは最近注目を集めている「メタボリックシンドローム」と
高脂血症の関係について説明したいと思います。

 

高脂血症は、遺伝性のものを除けば、加齢にともなって罹患率が上がる疾患です。
具体的な症状はなく、「病気」とまではいえないかもしれませんが
検査値が思わしくないままに時を経過すると、将来さまざまな病気を発症する確率が上昇します。

 

これは、高脂血症に限りません。
生活習慣を反映した1つの指標として、高脂血症がとりあげられているのです。

 

メタボリックシンドローム

将来の病気のリスクを減らすため、「メタボリックシンドローム」という概念が生まれました。
「メタボリック」とは「代謝」をさします。
代謝異常を総合的に判断したものです。

 

診断基準も簡単な検査のみを使用。
多くの人が生活習慣に関心をもちやすくなっています。
診断基準は以下

 

1、腹囲 男性>85cm 女性>90cm
2、血圧 >130/85
3、血糖値 空腹時血糖>110
4 高脂血症 中性脂肪>150 または HDLコレステロール<40

 

1を満たしかつ、2〜4のうち2つを満たすとメタボリックシンドロームと診断できます。

 

検査項目から分かるように、軽度の糖尿病や高血圧、高脂血症では
具体的な症状がでないことがほとんどです。
しかし、心血管イベント(心筋梗塞や脳卒中など)をおこす確率が上がります。

 

その機序を簡潔に説明すると、

高血圧は血管の内圧上昇であり、血管壁に常に負荷をかけていることになります。
そのため、血管が圧に耐えきれなくなれば、脳出血や動脈解離、動脈瘤などのリスクが上昇。

 

糖尿病では、高血糖状態が続きます。
糖は栄養ですが、高血糖は細胞に障害を与えることが分かっています。
簡単にいえば、血中に毒が高濃度にある状態です。
なので、血管の内側の細胞が障害されます。
障害の修復に伴い、動脈硬化が発生。
心血管イベントが起こりやすくなります。

 

高脂血症では、

血管へのコレステロール沈着。
それにともなう微小な炎症、炎症細胞の浸潤によって動脈硬化がおこります。
糖尿病と同様、血管壁が障害された状態ですから、心血管イベントが起こりやすくなります。

 

 

しかし、いずれも生活習慣を改め、食事や運動を是正することで改善が見込まれる病気です。
早期に異常に気づき、健康寿命を長くすることが望まれます。

トクホで下げる

高脂血症(メタボリックシンドロームとの関係)関連ページ

高脂血症の治療その1
高脂血症の治療について書いたページです。その1になります。
高脂血症の治療その2
このページも高脂血症の治療についてです。その2になります。
遺伝性の高脂血症、冠動脈疾患との関連
遺伝性の高脂血症と冠動脈疾患との関連について書いた記事です。
遺伝性の高脂血症その2
このページは、遺伝性の高脂血症について書いたページです。その2になります。
二次性高脂血症1:糖尿病について
二次性の高脂血症について考えていきたいと思います。さまざまな原因で高脂血症はおこりますが、まずはじめに糖尿病に続発する高脂血症を考えてみましょう。
二次性高脂血症2:甲状腺機能低下症について
二次性高脂血症、続発性高脂血症について次に甲状腺機能低下症を考えてみます。
二次性高脂血症3:クッシング症候群について
二次性高脂血症の3番目としてクッシング症候群という疾患について考えてみます。
二次性高脂血症4:ネフローゼについて
二次性高脂血症を起こす疾患の4番目として、ネフローゼという状態について考えてみます。
二次性高脂血症5:加齢、閉経について
高脂血症の原因として年齢にまつわるものの仕組みを考えたいと思います。
高脂血症の治療薬について
高脂血症の治療薬についてのお話です。参考にして下さい。