中性脂肪と高脂血症

高脂血症とは?

コレステロールと、中性脂肪といった脂肪成分が血中に多いと
体にさまざまな悪い影響を及ぼします。
「高脂血症」と呼ばれる状態です。
「高脂血症」は現在「脂質異常症」と名を改めて、呼ばれるようになりました。

 

高脂血症の概念

「血中に脂肪成分が多いこと」=「脂肪を含むリポ蛋白が多いこと」を示します。

 

リポ蛋白にもさまざまな種類がありました。
そこでWHOは、どのリポ蛋白が増加しているかに基づいて、5種類に分類。

 

  1. 1型は、カイロミクロンが多くなります。
  2. 2型は、LDLが多くなります。
  3. 3型は、IDL(中間密度リポ蛋白・・・LDLとVLDLの中間の重さ)
  4. 4型は、VLDL
  5. 5型は、カイロミクロンとVLDLの増加

といった分類です。

 

検査値としては、中性脂肪(TG)、コレステロールの値を簡単に測ることができます。
ただし、中性脂肪は食後に肝臓に蓄えられるまでの時間、上昇がみられるため
12時間の絶食をしていることが望ましいとされています。

 

また、コレステロールに関しては、
LDLに乗っているコレステロールがどのくらいあるかが、病状の悪さを測る重要な指標です。

 

 

高脂血症では、

それぞれのリポ蛋白に含まれる脂肪成分の比率に伴い、
中性脂肪やコレステロールが異常値を示します。

 

たとえば、カイロミクロンは中身の大部分が中性脂肪です。
そのため、1型高脂血症では中性脂肪の上昇が顕著にみられます。
LDLはほとんどがコレステロールのため、2型高脂血症はコレステロール上昇が顕著です。

 

といったように、検査値の上昇具合をみながら
どのタイプの高脂血症であるかを判断することができます。

 

また、有名なのが、中性脂肪が多いとき、コレステロールが多いときで
それぞれ採血後の血清(血球成分以外)の外見が異なります。
中性脂肪が顕著に上昇する1型では、血清の上にクリーム状の白い層ができたり、
それより中性脂肪の濃度の低い4型では、血清が白濁したりする変化がみられます。

 

薬の選択が変わってくるため、高脂血症の型を知ることが必要です。

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