虚血性心疾患
高脂血症が引き起こす動脈硬化のはてにおこる病気として、最後に「虚血性心疾患」という分野をみていきましょう。
「虚血性心疾患」は、具体的には「狭心症」と「心筋梗塞」が含まれます。
心臓に栄養を与える血管に障害があり、心臓がエネルギー不足となっている状態です。
簡単にいうと、「狭心症」は、血管狭窄によって虚血の状態で心臓が悲鳴を挙げている発作、「心筋梗塞」は心臓の筋肉が死んでしまった状態をいいます。
これも、血管の狭窄が原因となり、「粥状硬化」でおなじみの動脈硬化が根源となります。
心臓を取り巻く血管は、3本あり、5mmにもみたない太さをしています。
この内腔にプラークがたくさんできてしまうと、狭窄がおこります。
主要血管の3本のうち、どの血管が詰まるかによって症状の出方がかわってきます。
心不全を引き起こしたり、不整脈を生じたり、重症例では心破裂といった助かる確率の低い状態へ進展することもあります。
この血管狭窄は、「冠動脈造影」という動くレントゲンのような機械で可視化されて診断されます。
どこの血管に何%の狭窄があるかがわかります。
この他にも、最近ではCTやMRIが発達し、3Dの画像を再構成することが可能となり、どの程度の動脈硬化があるのかがこのような画像診断でもわかるようになってきました。
虚血性心疾患のリスクとしては、高脂血症はもちろんのこと、高血圧、糖尿病、喫煙、肥満、高齢などが挙げられます。
これまで述べた疾患すべて、同じようなリスク因子であることがわかりますね。
血管を傷つける行為は、慢性的に積み重なると重大な病気に進展するということです。
どの疾患でも、メタボリックシンドロームに該当しないように目標を定め生活を改めることがいかに重要かが理解できたと思います。
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